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はじめに

更新日:2021年11月25日

長年手術教育に携わり、30人に及ぶ手術修練医に手術を教えた経験から手術を見せてそれを学んでもらうことの限界を知りました。そのため手術解説書を作り、手術動画を見ながら全ての手術手技を自習できるようにしました。また、修練医からの意見や習得の度合いを見ながら何度となく書き直したものです。私的に作った解説書ですが、これから手術を学ぶ先生方のお役に立てればと思い公開することにしました。



手術教育は、「観て盗め」を基本とする徒弟制に基づく指導が現在も中心となっています。しかし自分自身が手術指導医となって気づいた事は、観ても盗めない手術修練医が殆どであることでした。


また、なぜ出来ないかの原因を特定し解決方法を提案する事が出来ていない自分にも気付かされました。そこで手術ビデオを何度も見返したところ、問題のある箇所を指摘はできたもののなぜなのかを特定する事は出来ませんでした。この疑問を解決するため、顕微鏡下の手術ビデオに加えて、手元の操作、フットスイッチの操作、手術時の姿勢、手術装置の実際の吸引圧や超音波強度等を全てビデオに撮影して、手術修練医と指導医の違いを比較検討する事にしました。その結果、姿勢、器具の持ち方(ビデオ)、機器の使い方に大きな違いがあり、これが原因であったことに気づき大変な衝撃を受けました。以上の経験から、顕微鏡下に見える術野だけで手術教育を行っていても手術技能や教育能力の向上はできないと感じました。このため既存の白内障手術の教科書とは一線を画し、術野以外での手術に必要な重要事項と二次元記録された手術ビデオでは分からなかった三次元で捉えた白内障手術を中心とした手術解説書が必要と考え本項を起稿しました。

さて、本稿は一部ですが現在行われている手術教育と正反対の手技や難しいとされる術式選択を推奨し、指導医の教育の間違いを指摘しています。前述した様に手術教育は徒弟制に基づき行われています。このため師弟関係を壊さないように、ここに記載されている手術手技を実践する前には指導医と話し合いを持つことを推奨します。そして修練医と指導医の双方が納得された場合に活用して頂けたらと思います。全ての項目を読むにはボリームがあるため、筆者が一番強調したい項目である「水晶体の解剖」と「白内障手術は水晶体核の破砕吸引をする手術」を先ずは読んで頂き、興味が湧いてきた方は「人の手足の動きの特性」を読んだ後参考にすべきかをご検討頂ければと思います。



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