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白内障手術は核処理を行う手術

更新日:2021年11月23日

超音波の発振は硬い核を処理するためには必要ですが、柔らかいエピや皮質、水晶体嚢に強い超音波を発振すると合併症を起こす原因になる諸刃の剣です。そのため、超音波白内障手術では、核とエピを分離して最初に核のみを処理することが安全な手術を行うためにはとても重要と考えます。



前眼部OCT像とスリット画像(図1)を見ながら核の性状を理解してください。核はエピの皮を被って後囊に近い位置に埋れていて、想像するよりかなり小さいことが解ります。核処理にあたり、先ずは核の姿を明確にするためにエピの皮を剥く様にして核の大きさと位置を明らかにします。その後、核のみを分割、破砕、吸引し、全ての核が処理できた後、エピと皮質を処理するのが白内障手術と考えてください。多くの皆さんはDivide and conquer 法により白内障手術を行っているためか、エビに包まれた核、即ち水晶体全体を核と思い込んで処理している様に感じると共に合併症が生じる原因になっていると思います。白内障手術はエピに埋もれた核を掘り出し、破砕吸引する手術と考えましょう。それが柔らかいエピに強い超音波の誤発振を予防する安全な手術方法と考えるからです。

エピと核では硬度に大きな違いがあります。エピに包まれた状態で核を分割すると核とエピとの境界部が不明でエピを核と誤認して超音波を発振してしまい合併症を起こした術者も多いと思います。核処理時の後囊破損もよくある合併症ですが、術者のほとんどが核の大きさを推測しながら手術を行なっているために起こる合併症と思います。これを防ぐためには、実際の核の大きさや赤道部の位置を確かめてから手術を行うことを推奨します。この確認により核分割、破砕吸引は飛躍的に安全かつ簡単になります。

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